糖尿病
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社会医学・医療経済学
2型糖尿病患者における治療中断の既往と血管合併症との関係
田中 麻理伊藤 裕之根本 暁子池田 望美尾本 貴志篠崎 正浩西尾 真也阿部 眞理子安徳 進一三船 瑞夫当金 美智子
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2015 年 58 巻 2 号 p. 100-108

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抄録

594例の2型糖尿病患者を対象に治療中断の既往についてのアンケート調査を行い,糖尿病に伴う血管合併症との関係を調査した.治療中断の既往を有する例は78例(13 %)にみられた.治療中断の既往を有する群では,中断歴のない群に比して男性(79 %対59 %)と一人暮らしの例(30 %対18 %)が有意に高頻度であった.糖尿病の診断年齢,治療開始年齢はいずれも若年で,診断より治療開始までの期間と糖尿病の罹病年数は長期間であった.また,網膜症と腎症が治療中断の既往を有する群で高頻度にみられ,多変量ロジスティック回帰分析でも,治療中断の既往(オッズ比=1.97,95 %信頼区間=1.14-3.36,P=0.02)は腎症の有意な説明因子であった.治療中断への対策としては,網膜症や腎症など重症合併症に関する教育をより重視することや行政・医療機関などの第三者からの治療継続支援が必要と考えられた.

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© 2015 一般社団法人 日本糖尿病学会
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