2015 年 58 巻 4 号 p. 286-292
イプラグリフロジンは,SLGT2(selective inhibitor of sodium glucose co-transporter 2)阻害薬のひとつであり,標的細胞は腎臓でインスリンを介さずに血糖降下作用を発現する.SGLT2阻害薬は,体重減少,降圧,脂質代謝改善,内臓脂肪減少などの副次効果が報告されており,脂肪肝など脂肪蓄積病態の改善効果も期待される.今回,食事療法と運動療法およびイプラグリフロジンによる総括的治療により,減量に伴い,血糖のみならず非アルコール性脂肪肝炎(NASH)による肝機能障害の改善も認められた症例を経験したので報告する.