糖尿病
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症例報告
胃全摘後,ダンピング症候群を伴う妊婦の血糖管理に持続血糖モニターが有効であった1例
春口 誠治竹邉 聖米村 栄
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2016 年 59 巻 12 号 p. 805-810

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抄録

26歳女性.24歳時に胃癌に対し,胃全摘術施行.術後,ダンピング症状を呈し,分割食にて症状消失していた.妊娠判明後,分割食でもダンピング症状出現し,当科外来受診.外来にて持続血糖モニター(CGM)を施行し,食後300 mg/dLを超える高血糖とその後の急激な血糖低下による低血糖を認めた.血糖コントロール目的に入院し,6分割食の食事療法のもとCGMを装着した.その結果,食事開始から40~50分後に著明な高血糖,120分後に低血糖になっていたため,超速効型インスリン導入した.インスリン導入後も食直後の急峻な血糖上昇が抑制できなかったため,CGMの血糖変動を見ながら,インスリン注射タイミングを変更し,さらに食事摂取時間を延長することで,ほぼ目標血糖内にコントロールされた.退院後も良好なコントロールで,妊娠39週で健児を得た.ダンピング症候群の妊婦の血糖コントロールにCGMが有効と考えられる.

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© 2016 一般社団法人 日本糖尿病学会
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