糖尿病
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症例報告
回腸導管再建術後に著明なanion gap非増大型代謝性acidosisを発症した1型糖尿病の1例
大角 誠一郎池田 和弘中村 高秋
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2017 年 60 巻 10 号 p. 726-731

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抄録

症例は55歳男性.24年前に1型糖尿病と診断されインスリン強化療法を施行されていた.1週間前からの食思不振,全身倦怠感,嘔気嘔吐を主訴に当院救急外来を受診した.1型糖尿病ケトアシドーシスを疑い動脈血液ガス分析を施行し著明なAnion Gap非増大型代謝性Acidosisを認めた.本患者は膀胱尿管全摘術と回腸導管造設術の既往があり,回腸導管部におけるHCO3の喪失と糖尿病合併症の影響が考えられた.回腸導管造設後には長時間の同導管内の尿貯留によりHCO3の排泄が亢進するとされる.また糖尿病腎症では尿中への酸排泄が障害される.本患者は糖尿病自律神経障害によって腸管蠕動の低下から回腸導管内の尿貯留を来たし,加えて糖尿病腎症により酸排出が低下し本病態に至ったと考えられた.糖尿病合併症を有した患者では回腸導管造設により代謝性Acidosisを発症する可能性が高いことを認識すべきと考えられた.

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© 2017 一般社団法人 日本糖尿病学会
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