糖尿病
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症例報告
無痛性甲状腺炎と糖尿病ケトアシドーシスを契機に先端巨大症と診断され,経過中に下垂体卒中をきたした1例
黒木 茜本多 敏朗松本 諭藤原 豊八巻 稔明鈴木 昭
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2017 年 60 巻 12 号 p. 813-819

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抄録

32歳,女性.20XX-5年から無月経,20XX-3年から靴のサイズが大きくなった.20XX-1年10月糖尿病と診断,治療に伴い血糖値改善,20XX年6月に治療中止,6月中旬から倦怠感,口渇,多飲,多尿を自覚,体重も10 kg減少した.6月下旬近医受診し高血糖,甲状腺中毒症を認め当科紹介入院,血糖値362 mg/dL,アニオンギャップ開大性代謝性アシドーシス,尿ケトン体3+を認め,糖尿病ケトアシドーシスと診断,無痛性甲状腺炎も併発していた.入院時から頭痛持続,第4病日に突然の視野障害,眼球運動障害を呈し,腺腫内出血を伴う下垂体腫瘍を認め,GH 3.20 ng/mL及びIGF-1 373 ng/mL(3.3 SD)高値から,下垂体卒中を伴った先端巨大症と診断,第9病日に手術施行された.無痛性甲状腺炎と糖尿病ケトアシドーシスを呈し,先端巨大症と診断され,かつ下垂体卒中をきたした稀な症例だった.

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© 2017 一般社団法人 日本糖尿病学会
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