糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
症例報告
厳密な糖質制限と持効型溶解インスリン1回法を約15年継続している罹病歴33年の1型糖尿病の1例
長谷川 夕希子春日 崇臣奥山 尚美三浦 順之助大屋 純子内潟 安子
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 60 巻 6 号 p. 449-455

詳細
抄録

症例は46歳男性である.13歳時に1型糖尿病を発症し,インスリン治療を開始された.10代より運動時の低血糖のためインスリンを減量し,30代より糖質制限を行い持効型溶解インスリン1回法に変更,HbA1c 7 %前後で経過した.45歳,当科に入院時,我々は1型糖尿病における糖質制限の有効性,安全性に関する報告は少なく動脈硬化性疾患のリスクとなること,インスリン減量がケトアシドーシス発症の危険となることを繰り返し説明し,炭水化物比50~60 %の食事を勧めた.しかし,現時点では動脈硬化性疾患やケトーシスの既往はなく,患者の強い意向に沿った糖質制限食とインスリン1回法を容認せざるを得なかった.その危険性を十分に患者に説明するとともに,慢性合併症やケトーシスのモニタリング等,慎重に経過観察する必要がある.厳密な糖質制限と持効型インスリン1回法を長期間継続した1型糖尿病の症例は希少であるため,報告する.

著者関連情報
© 2017 一般社団法人 日本糖尿病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top