糖尿病
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症例報告
治療中に溶血性貧血を生じ,遺伝性球状赤血球症と診断した高血糖高浸透圧症候群の1例
向山 拓矢岡西 大介森田 浩佐々木 茂和沖 隆
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2020 年 63 巻 12 号 p. 820-825

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抄録

症例は57歳男性.意識障害で当院に救急搬送され,血糖値1617 mg/dL,HbA1c 12.4 %と著明な高血糖であった.高血糖高浸透圧症候群と診断し,緊急入院した.補液とインスリンの点滴内投与で血糖は緩徐に低下した.脱水および血糖の改善とともにHbが低下し,Hb 6 g/dL台まで低下したため赤血球の輸血を要した.出血性病変は認めず,間接ビリルビンの上昇とハプトグロビンの著明な低下を認め,溶血性貧血と診断した.直接・間接クームス試験は陰性で,末梢血の鏡検で小型の球状赤血球を一部認め,脾腫があり,貧血の家族歴が判明した.赤血球抵抗性試験で最小抵抗の上昇を認め,遺伝性球状赤血球症と診断した.遺伝性球状赤血球症は通常顕性溶血をきたすことは稀であるが,本例は血糖・脱水の改善による浸透圧変化により,膜が脆弱な赤血球が溶血したと考えられた.

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© 2020 一般社団法人 日本糖尿病学会
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