糖尿病
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症例報告
クッシング症候群に糖尿病ケトアシドーシスと侵襲性肺アスペルギルス症を合併した1例
石井 康大小林 卓矢平間 紀行江口 英行
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2021 年 64 巻 9 号 p. 493-501

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抄録

症例は51歳男性,生来健康で健診の受診歴がなかった.半年前から口渇,多飲,多尿を自覚していた.突然の嘔吐,意識障害で救急搬送され,血糖979 mg/dL,HbA1c 11.5 %,pH 6.94,尿ケトン4+と糖尿病ケトアシドーシス(DKA)の診断で入院した.炎症反応高値,胸部CT検査でhalo signを伴った多発肺結節を認め,β-グルカン高値,血清アスペルギルス抗原陽性より,侵襲性肺アスペルギルス症(IPA)と診断した.DKAは輸液とインスリン持続点滴により改善したが,IPAは真菌薬の投与で改善がなく,ACTH 4.2 pg/mL,Cortisol 30.7 μg/dLの検査値から精査を行い,クッシング症候群と診断した.第24病日からメチラポンの治療を開始し,IPAも軽快した.高血糖を伴ったIPAに対し,クッシング症候群の診断と治療を行う事によって救命しえた貴重な1例であり,報告する.

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© 2021 一般社団法人 日本糖尿病学会
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