糖尿病
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症例報告
術後6年後に意識障害を伴う低血糖が再発の契機となったIGF-II産生胸膜由来孤立線維性腫瘍の1例
城山 枝里久保田 益亘吉井 陽子齊藤 彰久倉岡 和矢長野 学米田 真康
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2022 年 65 巻 11 号 p. 603-610

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抄録

症例は76歳女性.70歳時に左胸膜腫瘍切除術を施行され,術後3年間は再発なかったがその後通院を自己中断していた.76歳時,低血糖で救急搬送され,低血糖時の内因性インスリン分泌や血中insulin-like growth factor(IGF)-Iは低値だった.肝・腎機能障害やコルチゾールの低下は認めず,単純CTで左胸腔に粗大な腫瘤を認めた.患者血清のWestern blottingによる解析で大分子量IGF-IIの存在が証明され,大分子量IGF-II産生膵外性腫瘍による低血糖症を考えた.手術は希望されず緩和ケアの方針となったが低血糖回避のため中心静脈栄養を継続せざるを得ない状態が続き,第94病日に死亡した.剖検では免疫染色にてIGF-II,IGF-II受容体の発現が示され,大分子量IGF-IIとIGF-II受容体の複合体が腫瘍の発育に影響している可能性が考えられた.

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© 2022 一般社団法人 日本糖尿病学会
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