糖尿病
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糖尿病患者妊娠時の糖代謝変動に関する臨床的研究
岡崎 怜子
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1975 年 18 巻 6 号 p. 600-607

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抄録

26例の糖尿病妊婦について, 妊娠中の耐糖能の推移を観察したところ, 耐糖能が軽快したようにみえる16例と, 不変ないし悪化したようにみえる10例を経験した.軽快群は罹病期間が長く, 多くは糖尿病性網膜症を有し, 血中免疫インスリンは妊娠時にもほとんど分泌増大を示さず, 如娠時尿中estriolは対照群妊婦の範囲に分布した.不変ないし悪化群は罹病期間5年以内の症例が多く, 全例に糖尿病性網膜症を認めず, 妊娠時血中免疫インスリンは軽快群に比し有意に増大し, 尿中estriolも高値をとるものが多くみられた。
以上の結果から, estriolはインスリン拮抗性に作用すると思われた (糖尿病患者の妊娠時にみられる耐糖能の軽快, 悪化の原因は膵インスリン分泌の変動によるものではなく, 妊娠に伴うインスリン拮抗物質の増加の多少によることが推測された).

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