糖尿病
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インスリン依存性糖尿病患者における膵ラ氏島抗体
長岡 研五桜美 武彦鍋谷 登井村 裕夫久野 昭太郎
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1978 年 21 巻 12 号 p. 1047-1051

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抄録

糖尿病のなかでもインスリン依存性の糖尿病患者 (IDD) では抗甲状腺抗体や抗副腎抗体等の臓器特異的な自己抗体が高率に出現すること, および臨床的には橋本病やアジソン病をはじめとする臓器特異的な自己免疫性内分泌疾患と合併し易いことが従来より指摘されている.また膵成分に対する細胞性免疫の成立やHLAの検索等からもIDD発症における自己免疫の関与が確められている.しかしながら本症の特異抗原に対する抗体として最も注目されていた膵ラ氏島抗体 (I.C.Ab.) の検出は技術的な問題もあり研究がかなり立ち遅れていた.
1974年BottazzoらやMacCuishらが感度の良い免疫螢光法を用いることにより臓器特異的な自己免疫疾患を合併した糖尿病にLC.Ab.を認めたとそれぞれ報告して以来, LC.Ab.の研究はIrvineらをはじめとする英国の研究者たちにより積極的になされてきた.
一方われわれもIDDと自己免疫との関係については逐次報告してきたが今回はIrvineらとの共同研究により小児糖尿病患者をはじめとするインスリン依存性糖尿病患者123名を対象に間接免疫螢光法によりI.C.Ab.の検索をおこなった.
その結果正常健康者の1.C.Ab-の陽性率0.5%に比しIDDでは4.9%の陽性率を示した.罹病期間1年以内の者では16%, 1~3年の者では8.3%, 4~5年, 6~10年および10年以上の者では陽性者は見られず, 罹病期間が長くなるにつれてLC.Ab.陽性者は減少するという興味ある結果が得られた.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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