糖尿病
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若年糖尿病の発症年齢・インスリン依存性および家族歴の相互関係に関する臨床的観察
河野 泰子橋口 純仲村 吉弘細迫 有昌伊東 三夫浅野 喬原田 寿彦小村 一寿児玉 嘉生湯地 重壬杉山 悟普天間 弘陣内 冨男福満 昭二三宅 清兵衛大塚 健作楠木 繁男阿部 信行高山 義則川 明三村 悟郎
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1978 年 21 巻 12 号 p. 1053-1058

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抄録

九州糖尿病懇話会会員が, 九州全域にわたる20医療機関において経過観察中の糖尿病患者のうち満30歳未満で発症した552例について, アンケート調査を行った.上述した552例中, 152例は15歳未満の発症, 235例は15歳以上25歳未満の発症であり, 165例は25歳以上30歳未満の発症例であった.
25歳以上30歳未満発症例では男性が多いのに対し, 25歳未満発症例では女性が多く, この差はP<0.1%以下で有意であった.15歳未満発症例と15歳以上25歳未満発症例との間には性別に有意差はなかった.25歳以上30歳未満発症群と25歳未満発症群を比較するとインスリン依存例は後者に多く (p<0.01%), 15歳未満発症群におけるインスリン依存例は15歳以上25歳未満発症群に比し有意に多かった (P<0.5%).
25歳以上30歳未満発症群では, インスリン依存例の頻度に, 家族歴の有無による差は認められなかった.ところが25歳未満発症群では, 糖尿病の家族歴を欠くものにインスリン依存例の頻度が有意に高かった (P<0.1%).
以上の成績は, 1) 25歳以上30歳未満で発症した群は25歳未満発症例とは, その臨床像を異にすること, 2) インスリン依存例の頻度は年齢が若いほど高く, かつ, 3) 同一年齢で比較すると, 25歳未満発症群では家族歴を欠くものにその頻度が高いことを示している.いずれの群においても発症の好発する季節は証明されなかった.

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