糖尿病
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インスリンアレルギーの研究 (第1報)
RASTによる即時型インスリンアレルギーの診断の試みと, インスリン各分画との関連性についての比較検討
伊藤 真一長岡 利子川口 尚志若林 孝雄桃井 宏直
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1978 年 21 巻 3 号 p. 211-218

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抄録

即時型インスリンアレルギーの適確な診断を目的とし, RASTによりインスリンアレルギーにおける特異的IgE抗体の検出を試み, さらにインスリン各分画との関連性について検討を加えた.抗原として, 牛の粗インスリン結晶をSephadex G-50により分画した, a-, b-componentと, c-componentをさらにイオン交換クロメトグラフィーにより分離した精製インスリンの三者を使用し, 三者それぞれが結合したpaper discを作製し, 診断検査に用いた.正常対照群10名におけるRAST結合率は4.5±0.3%で, この値の2倍以上をRAST陽性と判定した.その結果インスリン使用糖尿病患者中, アレルギー症状のない症例は全例正常範囲であったが, 著明な臨床症状を認め, 皮内テストで確認しえた牛インスリンアレルギーの2症例は明らかに陽性を呈した.本法によりインスリン成分に対する特異的免疫反応を観察していることは, 3分画のdose response curveが片対数グラフ上, 直線関係を示したことと, 50% inhibition testの結果により証明した.RAST値が最高であった患者における50%inhibition testの結果, iahibitorとしてa-, b-componentは各々約2mgであるのに比し, 精製インスリンは50m9以上であった.以上よりRASTは, インスリンアレルギーの診断に有用であり, IgE抗体に対する関連性はインスリン各分画で差がみられ, 精製インスリンで弱いことが示唆された.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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