糖尿病
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妊娠中糖尿病性昏睡を来し自然流産した2症例の排卵機構に関する検討
橋詰 直孝渡辺 渓子仁科 進弘
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1978 年 21 巻 3 号 p. 239-244

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抄録

糖尿病の際, 排卵に異常をきたしたり, 妊娠に影響することはよく知られている.しかし, その発生機序や障害部位については今まだ明らかにされていない.そこで妊娠中に糖尿病性ケトアシドーシスで初めて糖尿病と診断され流産した2症例を経験したので流産後の排卵機構に関して検討を加えた.
症例1は23歳初回妊娠で妊娠25週目に糖尿病昏睡に陥り流産した.その後無排卵周期症が305日続き, 血糖がコントロールされた後にご排卵を認めついに再度妊娠した.
症例2は29歳.2回の流産既往があるが糖尿病を指摘されたことはない.今回は妊娠33週目で糖尿病昏睡に陥り死産した.その後第2度無月経が350日以上続き, 血糖がロントロールされたにこもかかわらず排卵を認めなかった.
2例とも糖尿病の発症あるいは糖尿病昏睡によるストレスおよびそれに続発した全身の代謝の大きな乱れが排卵異常の引き金になったと考えられた.Luteinizing Hormone-Releasing Hormone (以下LH-RHと略す) テストで中間型を示し, 排卵障害の部位は間脳および上位中枢にあたると推定された。また, 症例2において, premarinテストによりLH放出にご対するestrogenのpositive feedbackの機構は正常であることが示唆された.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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