1979 年 22 巻 6 号 p. 683-691
生体におけるインスリン感受性を計量化する目的で, ブドウ糖・インスリン・ソマトスタチγ を正常人8名, 耐糖能境界型の者9名糖尿病患者27名に静脈内負荷を行い得られた恒常血糖値よりブドウ糖利用に対するインスリン感受性指数 (ISI) を算出した.
CPR, GH, IRGは本試験中抑制され90分以後には血糖はほぼ一定の恒常血糖値をとり, この血糖に反比例するI.S.I.を求めた.正常者に比し, 糖尿病, 耐糖能境界型異常群では有意のISIの低下々見たが, 糖尿病・耐糖能境界型異常者中にそれぞれ5例 (18.5%) お零び2例 (22.2%) に正常の値を持つもの炉見出された.同時にTGおよびFFAの減少を指標として観察した蹟輩代謝に対するインスリン感受性は, 正常者に比し糖尿病食事治療群および経口剤治療群では低下が見られたのに反レ・イγスリγ治療群では年常渚のそれと変らず, 脂質代謝におけるインスリン作用は治療により変化することが示された.一方ヂブドウ糖利用に対するインスリン感受性はインスリン治療群およびコントロール改善後も低下を認醐糖尿病群特徴的と考えられた.
本試験ではプロプラノロール, エピネフィリン法に見られる血圧上昇もなく, また止血, 循環系その他に対する副作用は認めなかった.
本試験は過去報告されたインスリン感受性試験に比し, 安全かつ正確であるといえる.