糖尿病
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検診業務における判定基準に関する考察 (3)
経口50g糖負荷後のIRIおよびCPRについて
松浦 千文川越 和子重信 卓三三好 秋馬松下 弘
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1979 年 22 巻 6 号 p. 727-733

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抄録

疾病状態における509ないし1009糖負荷後の血中IRIやCPRの動態に関する研究は多いが, いわゆる健康人に関して検討したものは極めて少ない.著者らはドック検診受診者のなかから, IRIやCPRの異常が指摘されている耐糖能異常, 肥満および高脂血症のあるものを除いた対象229名 (男184名, 女45名) を選び, 経口509糖負荷後のIRIやCPRの動態について平均値土標準偏差を算出して観察するとともに正常範囲の設定を試みた.IRIおよびCPRの測定にはradioimmunoassayを用いた.
対象の年齢は35~69歳にわたるが肥満指数は2.3±1.2%であった.空腹時, 負荷後30分, 60分および120分における血糖はそれぞれ, 84.3±7.8mg/dl, 132.6±23.6mg/dl, 110.7±27.0mg/dl, および76.1±16.8mg/dl, IRIはそれぞれ, 8.3±7.0μU/ml, 41.7±22.4μU/ml, 40.9±24.2μU/ml, および16.2±12.3μU/ml, CPRはそれぞれ, 2.1±1.2ng/ml, 6.3±3.4ng/ml, 7.6±4.0ng/ml, および5.0±3.1ng/mlであった.
血糖およびIRIの頂値は糖負荷後30分, CPRの頂値は糖負荷後60分にみられた.
空腹時, 糖負荷後30分, 60分, および120分における確率紙上の土2σの範囲は血糖でそれぞれ, 70~100mg/dl, 96~180mg/dl, 65~175mg/dl, および45~120mg/dl, IRIでそれぞれ, 1.0~19.5μU/ml, 15.0~95.0μU/ml, 12.8~90.0μU/mlらおよび9.0~58.0μU/ml, CPRでそれぞれ, 0.7~5.2ng/ml, 2.4~14.0ng/ml, 2.1~20.0ng/ml, および1.5~12.5ng/mlであった.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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