1979 年 22 巻 9 号 p. 1001-1007
Sandwitch法による血清インスリン酵素免疫測定法kit (特田製薬) について, 測定法と実用性の問題点について検討を加えた.
本法における, 抗体ビーズ, 酵素結合抗体は十分な容量, 特性を持っており均一性も優れ, 血清インスリン測定に十分な感度と再現性を有した. しかし, 第一相の反応は若干の蛋白濃度による干渉を受け, 通常の血清では十分に補償されているが, 蛋白濃度の著明に異なる血清および抽出液等における応用には注意が必要である. 本法により測定したIRI値は, Phadebas IRIによる測定値より若干高値を得るが, きわめてよく相関し, 実用上, Radioimmnoassayに代用可能であり, 放射性同位元素を使用しない点で広く臨床検査に適しているものと考えられる。