糖尿病
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インスリンアレルギーの研究 (第3報)
インスリン製剤およびその関連物質のIgEインスリン抗体産生能に関する免疫遺伝学的検討
伊藤 真一中山 徹長岡 利子川口 尚志桃井 宏直
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1981 年 24 巻 6 号 p. 619-626

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抄録

われわれは即時型インスリンアレルギーの成立には製剤爽雑物も関与することを指摘してきた.今回はラットと近交系マウスを用いて本症の免疫遺伝学的背景を検討し, さらにインスリンアミノ酸配列の差異とIgE抗体発現の関連, 精製インスリンにより作製した抗体と各種インスリンとの交叉反応性についても検討した.ラットにおける免疫方法は多田らの方法により, マウスにおいては石坂らの方法で行った.ラットIgE抗体の検出はラットーラット60hr-PCA, マウスIgE抗体はマウスーラット4h-PCAによった.
ラットでは, ウシ-a-分画が最も強い抗原性 (約32倍) を示したが, ウシ, ブタ精製インスリンは抗体産生能を認めなかった.近交系マウスでウシ-b-分画による産生能をみると, H-2dがhigh responder (約320倍), H-2bは中等度 (80倍), H-2k, H-2sでは認めなかつた.したがって抗体産生に遺伝因子の関与が推定できる.high responder系のマウスでは, ウシ, ブタ精製インスリンにも軽度ながら抗体産生能を認めたが, 同様であるマウス・インスリンでは認めなかった.
抗ウシ精製インスリン抗体は, ブタ精製インスリンと交叉反応性を示したが, マウスおよびカツオ・インスリンとは反応しなかった。抗ブタ精製インスリン抗体についてもこれと同様な傾向がみられた.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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