糖尿病
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糖尿病における食事療法の作用機序
インスリン受容体からみた検討
中林 富雄金綱 隆弘高森 成之平海 良雄千丸 博司牧野 邦雄瀧野 辰郎秋田 茂夫葛谷 覚元
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1981 年 24 巻 7 号 p. 729-736

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抄録
糖尿病食事療法の作用機序を解明するため, インスリン受容体の面から検討を加えた.すなわち健常者16名を対照に, 成人型糖尿病患者18名に100g O-GTT時の血清インスリン (IRI), インスリン感性試験によるインスリン感性指数 (ISI), 更に末梢血単核球の125I-インスリン特異結合率などを測定した.また糖尿病18例には約1ヵ月の食事療法後にもこれらの検査を行い, 前後の成績について比較した.その結果は: 1) 食事療法のみでコントロールされた糖尿病18例では, 未治療時ISI, 125I-インスリン特異結合率およびインスリン受容体数は健常者に比べ有意な低値を示し, 治療後, 体重, 血糖はすべて低下し, ISI, 125I-インスリン特異結合率およびインスリン受容体数は有意に増加した.2) 食事療法後にはISIと125I-インスリン特異結合率との間に正の相関がみられた.3) 125I-インスリン特異結合率と空腹時IRI値およびΣIRIとの間には明らかな関係は認め難かった.すなわち成人型糖尿病ではインスリン感性およびインスリン受容体の低下がみられたこと, また食事療法による耐糖能の改善には, インスリン受容体数の増加によるインスリン結合, インスリン感性の増大などが強く関係しているものと思われた.またインスリン受容体の異常という点は, 成人型糖尿病における耐糖能の増悪因子を考えるうえに意義をもつものと考えられる.
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© 社団法人 日本糖尿病学会
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