糖尿病
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食物線維の糖尿病治療への応用 (第4報)
とくに食物線維の粘度と食後血糖上昇抑制効果
土井 邦紘松浦 省明河原 啓馬場 茂明西川 和典
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1982 年 25 巻 3 号 p. 197-203

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抄録

食物線維が持つ, 食後血糖上昇抑制作用や, 抗脂血症作用に優れた効果を期待するためには親水性食物線維で, しかも粘度の高いものを選ぶ必要があるとされている.本稿では, このような効果が優れて象り, 粘度が高いGuar Gumと我々がこれまで使用して来たGlucomannanとを粘度と生物作用の面から検討した.まず試験食 (646Kcal) 負荷試験に対するGuar Gum (3.99) あるいはGlucomannan (3.9g) の影響を糖尿病患者 (13名) で観察したところ, Glucomannanの食後血糖上昇抑制作用が優れていた.そこで両線維の絶対あるいは動粘度を測定した結果, 両粘度ともGlucomannan (絶対粘度: 最高, 194,800cps, 動粘度: 10.50cs) がはるかにGuar Gum (絶対粘度: 最高, 7,700cps, 動粘度: 2.82cs) より高いことが明らかとなった.しかし食物線維の差によることも考えられ, 次にGlucomannanの中でも粘度の高い線維 (194,800cps) と低い線維 (55,000cps) を選び, 試験食負荷試験に対する影響を正常添9名を対象に観察した, その結果対照と比較して高粘度線維投与群では負荷後採血したすべての時点で, 食後血糖の上昇は有意に抑制されたが, 低粘度投与群では対照と比較して食後血糖の上昇率はほぼ同率であった.なおこの作用はD-xylose負荷試験により消化吸収障害によるのではなく, 吸収遅延によるものであることも証明された.以上Glucomannanの粘度はGuar Gumより高く, これがGlucomannanの食後血糖上昇抑制効果が優れている一因と考えられた.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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