糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
持続インスリン皮下注入による糖尿病コントロール法の検討
黒田 義彦中山 秀隆牧田 善二皆上 宏俊青木 伸栗原 義夫門田 悟小森 克俊萬田 直紀織田 一昭工藤 守中川 昌一
著者情報
ジャーナル フリー

1982 年 25 巻 3 号 p. 221-230

詳細
抄録

近年, 携帯型微量注入ポンプを用いたOpen loop systemにより, 良好な血糖コントロールを得られた例が, 多数報告されている.しかし, その注入量決定の一般的方法は, 知られていない.我々は, 持続インスリン皮下注入療法 (Continuous Subcutaneous Insulin Infusion Therapy以下CSII) を採用し, 6名のインスリン依存性糖尿病患者に, 先ず, インスリンの基礎注量を決定し, そめ後各食前の追加注入を行う方法により, 良好な血糖コントロールを得る事ができた.
CSIIと現行インスリン療法の各々の空腹時血糖, 空腹時IRI値の日差変動を比較すると, CSIIによるものが, より正常者に近く変動が少なかった.
各食前の追加注入方式をBolus injectionとSquare wave injectionで比較したが, 両注入方式で, 血糖, 血中IRI値とも有意差はなかった.
更に, 現行インスリン療法にて, 血糖コントロール不良であった膵全摘患者2名, 不安定型糖尿病患者1名に, 同様の方法でCSIIを施行した.前者は良好なコントロールが得られた.後者では, 低血糖, 尿糖, 尿アセトン体で改善が見られたが, 良好な血糖コントロール状態というには未だ不十分であった.
しかし, CSIIは適応を正しく選択することにより, 現行インスリン療法に比し, より有用な血糖コントロールの手段であるといえ, 我々の行った注入量決定方式は, より簡便にかつ安全に良好な血糖コントロール状態が得られると考えられた.

著者関連情報
© 社団法人 日本糖尿病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top