糖尿病
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Prospective Follow-up Studyによる本邦糖尿病患者の予後調査
登録3年後の成績とくに登録時糖尿病性合併症と予後との関係について
三原 俊彦大橋 博平田 幸正
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1982 年 25 巻 3 号 p. 237-242

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抄録

1976年1月より12月までの1年間に東京女子医大糖尿病センターを受診した糖尿病患者1,629名のprospective follow-up studyの登録3年後における調査成績のうち, 登録時の糖尿病性合併症 (神経障害, 網膜症, 腎症) の有無と死亡率, 死因との関係について検討した.登録3年後の追跡結果は, 生存者1,520名, 累積死亡者数106名, 累積生死不明者数3名であり, 生死に関する追跡率は99.8%であった.登録時の糖尿病性合併症の有無およびその程度と3年間の累積死亡率および死因との間に密接な関係がみられた.すなわち, 糖尿病患者全体としての3年間の累積死亡率が6.5%であったのに対し, 神経障害のあったもので8.1%, Scott Ia~IIIaの単純性網膜症およびScott IIIb以上の増殖性網膜症のあったもので, それぞれ7.6%, 10.1%, 蛋白尿 (++) および (+++) 以上のもので, それぞれ12.7%, 21.1%と高い死亡率を示した.登録時におけるこれら3つの合併症の組合わせと死亡率, 死因をみると, 神経障害, 網膜症, 蛋白尿のいずれもなかった401名の3年間の累積死亡率は2.5%で, 悪性新生物による死亡が多かったのに対し, これら3つの合併症をすべて有していた202名の死亡率は13.4%と高く, これら202名に性, 年齢をマッチさせた国民一般の死亡率の2.8倍 (p<0.01) であり, 死因として糖尿病性腎症, 虚血性心疾患が多かった。

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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