1983 年 26 巻 1 号 p. 45-49
ビタミソDの最終的な活性型代謝産物1α, 25-dihydr・xyvitaminD3の合成アナログである1α-hydroxyvitaminD3 (1αOHD3) の血糖およびインスリン分泌におよぼす影響を, ラットを用いた実験により検討し以下の結論を得た. 摘出膵灌流実験において, 10ng/mlの1αOHD3は直接的にもまた高濃度ブドウ糖刺激によるインスリソ分泌にも影響を与えず, bovinepara宅hyroidhormone (1ng/ml) の存在下においてもインスリン分泌にほとんど影響を与えなかった.in vivoにおいて1αOHD3 (250ng) の静注は, 血糖, インスリンに影響をおよぼさず, また経静脈ブドウ糖負荷試験の際の血糖, インスリン反応も1αOHD3前投与によってほとんど影響を受けなかった. 以上より, 1αOHD3は, ラットの血糖およびインスリン反応に対する急性効果はほとんどないものと考えられた.