糖尿病
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インスリノーマ細胞を用いた125I-抗ヒトIgG抗体による膵島細胞膜抗体測定法とその臨床応用
根岸 清彦
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キーワード: ICSA, ICSA RIA, 種特異性
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1983 年 26 巻 4 号 p. 485-496

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抄録

インスリン依存型糖尿病患者 (以下IDDMと略す) 血清中に膵島細胞膜抗体 (以下ICSAと略す) が存在することが知られている.
ICSAは臓器特異1生を有し, 種特異性には乏しいとされているが, 従来その検出にはラットあるいはマウス膵島細胞を用いて間接螢光抗体法 (以下IF法と略す) が行われてきた.
本実験ではハムスターのインスリノーマ細胞 (In-111) を標的細胞として, 125I-抗ヒトIgG抗体を用いたradioimmunoassay (以下RIA法と略す) により糖尿病患者血清中のICSAの測定を行った.インスリノーマ細胞を用いてRIA法と125I-protein A binding assay法 (125I-protein ABA法) とによるICSAの測定値を比較すると, 両者間に良好な相関が認められ, かつこれらの方法によるICSAの検出はIF法による判定とよく一致するものであった.更にインスリノーマ細胞を用いたRIA法によるICSA測定値はラット膵島細胞あるいはハマチ膵島 (Brockmann小体) 細胞を用いた場合のICSA測定値ともそれぞれ良好な相関を認めた.
そこで本RIA法にて44例の糖尿病患者血清中のICSAを測定したところ, 10例にICSA高値を認め, そのうち7例はインスリン治療患者, 3例はインスリン非依存型糖尿病 (以下NIDDMと略す) と考えられる非インスリン治療患者であった.これらの3例のうち1例に橋本病を, 他の1例に抗マイクロゾーム抗体価の高値を伴ったバセドウ病の合併を認めた.
以上本RIA法にて種々の標的細胞を用いてICSAの測定が可能であるが, 特に培養維持したインスリノーマ細胞を用いる場合, 常に一定の条件下でICSAの測定が可能であり, 糖尿病患者血清中のICSAのスクリーニングに極めて有用と考える.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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