糖尿病
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ハムスター・ラ氏島細胞を用いた抗ラ氏島細胞膜抗体の検討
抗ラ氏島細胞膜抗体陽性血清について
横川 泰高木 良三郎小野 順子国広 潔
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1983 年 26 巻 4 号 p. 497-501

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抄録

ラットラ氏島細胞を用いてラ氏島細胞膜抗体 (Islet cell surface antibody: ICSA) 陽性と判定されたインスリン依存性糖尿病 (Insulin-dependent diabetes mellitus: IDDM) 患者2例 (症例1および2) と耐糖能正常なICSA陽性者1例 (症例3) および健常者対照5例の血清につき分散したハムスター・ラ氏島細胞に対する反応性を検討した.さらにラット, ハムスター各ラ氏島細胞および脾細胞に対する反応性を間接螢光抗体法を用いて検討した.症例1では, ハムスター・ラ氏島細胞70%, ラットラ氏島細胞59%に陽性を示し, 症例2は各々54%, 67%を示した.ICSA陽性健常者症例3では各々50%および58%で, 健常者対照では6.6%と11.6%であった.3症例ともハムスター・ラ島氏細胞に対しラットラ氏島細胞に対すると同様高率を示した.
さらに, ハムスターのラ氏島細胞と脾細胞に対する反応性を比較すると, ラットの細胞と同じ傾向がみられた.すなわち対照ではいずれも20%以下の陽性率であったが, 症例1では両細胞に対する陽性率はいずれも高く, 症例2は前者に高く後者では健常対照例程度に低く, 臓器特異性を有すると思われた.症例3は耐糖能異常を示さなかったが, 両細胞に対して高い陽性率を示しジフテリア抗血清注射の既往が影響している可能性が考慮された.いずれの血清も種属特異性は示さなかった.以上, ヒトICSAの不均一性が明らかになったが・ハムスターのラ氏島細胞もラット同様ヒトICSAの検出に用いうることが分った.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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