糖尿病
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膵内外分泌相関に関する研究
PFDテストによる糖尿病患者の膵外分泌機能の検討
山崎 富生大槻 眞神田 勤末広 逸夫前田 光雄大木 篤尤 芳才馬場 茂明
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1984 年 27 巻 8 号 p. 903-910

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抄録

糖尿病に合併する膵外分泌機能障害の機序を明らかにするために, 糖尿病患者の膵外分泌機能をPFDテストにより判定し, 糖尿病の病態との関連について検討した.
1) 尿中PABA排泄率はpancreozymin-secretinテストの3因子と良好な相関を示した.
2) 糖尿病患者の尿中PABA排泄率は69, 0±2.4%(mean±S.E.) であり, 健常人の84.8±1.3%に比較して有意に低値を示した.
3) 糖尿病患者の尿中PABA排泄率は血清膵型アミラーゼアイソザイムと有意な正の相関を示した (P<0.01).
4) 糖尿病患者の尿中PABA排泄率は糖尿病の罹病期間が長い群, 空腹時血糖の高い群ほど低下しており, 経ログルコース刺激に対してインスリン分泌能を有さない群ではインスリン分泌能を有する群に比較して有意に低値を示した.
以上の結果, 糖尿病患者に合併する膵外分泌機能障害にはインスリン分泌能の低下が密接に関連していることが明らかになった.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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