抄録
糖尿病患者をインスリン依存性 (以下IDDMと略す), 非依存性 (以下NIDDMと略す) および自律神経障害 (以下ANと略す) の有無により4群に分け, 各群1~3ヵ月間のstrict glycemic controlの前後にインスリン負荷試験 (以下ITTと略す) を施行し, その際のグルカゴン分泌反応を比較検討した. また低血糖刺激時のグルカゴン分泌における自律神経の役割を評価すべく, 耐糖能障害の存在しないShy-Dmger症候群1例についても同様の検討を行った. IDDM・AN (-) 群11例およびNIDDM・AN (-) 群15例においては, strict glycemic contml後ITT時のグルカゴン分泌は治療前に比して有意の改善が認められたが, IDDM・AN+群4例およびNIDDM・AN+群4例では, strict glycemic contml前後ともITT時のグルカゴン分泌には差がなく低反応であった. Shy-Dmger症候群例ではITT時のグルカゴン分泌は耐糖能障害が存在しないにもかかわらず低反応であった.以上の結果, 低血糖刺激時におけるグルカゴン分泌は, 糖代謝状態および自律神経機能の両者が関与することが明確になった.