糖尿病
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糖尿病患者の長期経過観察成績
生命予後に対する危険因子および過去13年間の死因の変化
佐々木 陽堀内 成人長谷川 恭一上原 ます子
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1985 年 28 巻 5 号 p. 641-648

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抄録

昭和35年から昭和54年までの20年間に当センターで登録された糖尿病患者1,900名を昭和57年末まで平均7.9年間追跡し, その生命予後および死因にっいて検討した.
1) 平均年間死亡率 (1,000対) は男30.8, 女20.1で加齢とともに上昇し, また, 大阪府の死亡率と比較したO/E比は男1.71, 女1.72で, 若年者ほどO/E比が高くなる傾向がみられた.
2) 生命予後に関連する因子としては, 生存群と死亡群との間に発病年齢, 初診時年齢, 初診時の罹病期間, 収縮期血圧, 心電図虚血性変化, 蛋白尿, 糖尿病性綱膜症, 肥満度, 空腹時血糖値, 喫煙率, 治療方法に有意の差がみられた.
3) 死因は脳心腎血管疾患が約半数を占め, うち心疾患19.1%, 脳血管疾患16.6%, 腎疾患12.3%であった.O/E比は腎疾患に著しく高く, また心疾患, 虚血性心疾患においても有意に増加し, これらの疾患による死亡リスクが糖尿病で高いことが明らかとなったが, 脳血管疾患ではO/Eの有意な増加はみられなかった.一方悪性新生物は死因の1/4以上を占め, 肝がん, 膵がんはO/E比の増加が顕著であった.
4) 最近13年間の死因の変化をみると, 悪性新生物および虚血性心疾患に増加がみられたしかし, 悪性新生物にはO/E比の増加傾向がみられないのに対し, 虚血性心疾患では2.05から4.07へ顕著に増加し, 糖尿病における合併症の変化が示唆された.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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