ブタインスリンから酵素学的に半合成されたヒトインスリン (HMI) の安全性, 有効性および免疫学的評価を行うため精製ブタインスリン (PPI) を対照薬剤とした多施設協同による二重盲検試験を行った. 対象として実施された症例は190例で, 各種の状況を検討の結果, PPIのみで治療中の182例 (HMI群93例, PPI群89例) がデータ解析の対象となった. また, 試験薬剤として用いた製剤はいずれの薬剤もActrapid, Monotard製剤であった. 患者背景および患者療養態度とも両群が均等な分布を示した. 最終評価としての全般改善度, 概括安全度および相対的有用度を試験開始時点と比較した結果, 両群間に有意差を認めなかった. さらに, これらのデータについて各種の層別検討を行った. 副作用の種類, 頻度で両群間に有意差を認めず, 臨床検査成績においても試験薬剤の影響と考えられる異常は認められなかった.