糖尿病
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糖尿病患者におけるC-peptide Clearance/Creatinine Clearanceの評価およびその比による24時間尿中C-peptideの補正の試み
青木 雄次柳沢 康敏大房 裕和古田 精市
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1986 年 29 巻 9 号 p. 811-818

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抄録

C-peptideの尿細管での再吸収の程度をC-peptide clearance/creatinine clearance比 (CCPR/Ccr) により評価するとともに, 24時間尿中C-peptide (24h-UCPR) をCCPR/Ccrで補正することを試み検討した.
糖尿病群51名, 対照群6名を対象として, 早朝空腹時にCCPR/Ccrを, またその一両日中に24h-UCPRを測定し, 24h-UCPR/(CCPR/Ccr×10) を24h-UCPRの補正値 (c-24h-UCPR) として検討した.CCPR/Ccrは, 対照群が0.06~0.15であったのに対し, 糖尿病群は, 0.07~0.88と広範囲の値をとった.糖尿病群において, CCPR/Ccrは空腹時血糖とr=0.36, HbA1とr=0.18, 尿中N-acetyl-β-D-glucosaminidaseとr=0.29であり, 空腹時血糖とのみ有意 (p<0.002) の相関を認めた.Ccr 70ml/min以上の群で, c-24h-UCPRは, 24h-UCPRに比し, 朝食前後の血中insulinおよびC-peptideとより強い相関を示した.また, 朝食後の血中C-peptideの上昇部分とc-24h-UCPRとの回帰直線は, Ccr 70ml/min以上の群でY=5.0X+8.4, r=0.82, Ccr 70ml/min以下の群でY=4.7X+5.5, r=0.74となりほぼ同様の結果を得た.
高血糖, 腎障害などの影響で, CCPR/Ccrは広範囲の値を示した.CCPR/Ccrで補正したc-24h-UCPRは, 内因性insulin分泌量をより忠実に反映し, かつ腎障害を伴う例にも適用されうるものと考えられた.

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