糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
糖尿病患者の味覚障害
糖尿病性神経症における味覚検査の有用性について
松山 由紀子北川 淳子阿倉 洋子伏見 尚子井上 徹
著者情報
ジャーナル フリー

1987 年 30 巻 1 号 p. 15-20

詳細
抄録

今回われわれは糖尿病患者の神経障害の検討の一環として, 味覚異常について罹病期間, 血糖コントロール, 細小血管症, 振動覚および安静時心電図のR-R間隔変動との関係について検討し, 下記のような結果を得た.
1.罹病期問, 血糖コントロール, および細小血管症に有意差のない症例で, 女性の方が男性より有意に甘味, 苦味に対し敏感であった.
2.男性で喫煙者は非喫煙者に対し, 酸味で有意に劣っていた.
3.一部の味覚で振動覚, R-R間隔変動の異常が, また罹病期間, 細小血管症の有無に有意の関係がみられたが, HbA1には無関係であった.
4.2週間後に再検査した症例では, 空腹時血糖の改善したものに有意の味覚改善がみられた.

著者関連情報
© 社団法人 日本糖尿病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top