糖尿病
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膵外分泌機能障害を伴う新しい自然発症糖尿病モデルWBN/Kobラットに関する研究 (第1報)
発症様式と病態解析
森 豊横山 淳一西村 正彦芹沢 治池田 義雄
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1988 年 31 巻 1 号 p. 15-20

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抄録

新しい自然発症糖尿病strainであるWBN/Kobラットについて発症様式, および主として膵内・外分泌病態を中心に検討した.高血糖は雄性ラットにおいて生後6ヵ月齢頃より出現し始め, 生後12ヵ月齢における累積糖尿病発症率は73匹中33匹 (43.4%) であり, その後の長期観察に伴い発症率は上昇し生後21ヵ月齢において90%に達した.糖尿病発症ラットではインスリン注射で著明な血糖降下を示したが, 経口トルブタミド投与では血糖降下を示さなかった.生後12ヵ月齢における血中, 尿中アミラーゼは, 対照Wistarラットに比して有意に上昇しており, またPFD (Pancreatic Function Diagnostant) による膵外分泌機能検査では有意な低下がみられた.
以上, WBN/Kobラットは新しいタイプの自然発症糖尿病ラットであり, 膵内・外分泌障害を示す際立った特徴がみられた.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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