1988 年 31 巻 7 号 p. 585-590
コントロール不良糖尿病患者 (NIDDM) における, 好中球酸素依存性殺菌能の低下原因を解明する目的で, オプソニン化チモーザン刺激時の分離好中球superoxide anion (O2) 産生能, およびluminoldependentchemiluminescence (LDCL) 活性を, また非刺激時の好中球内myeloperoxidase (MPO) 活性を測定した.
コントロール不良糖尿病患者18名 (DM群) においては健常者20名 (N群) と比較して, O2産生能およびLDCL活性は明らかに低下していた (共にP<0.01).また, MPO活性においてもDM群は明らかに低下しており (p<0.01), しかも, HbA1と負の相関関係 (r=-0.874, p<0.01) が認められた.
以上より, コントロール不良糖尿病患者では, O2産生能低下のみならず, MPO活性の低下が認められ, 酸素依存性殺菌能そのものが障害されていることが明らかとなった.