糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
インスリン分泌指標についての一考察
鈴木 吉彦松岡 健平堀内 光
著者情報
キーワード: 糖尿病, 負荷試験, 判別分析
ジャーナル フリー

1989 年 32 巻 11 号 p. 807-812

詳細
抄録

759ブドウ糖経口負荷試験の際インスリン分泌をどう理解し臨床的判断材料としての価値を高めていくかは興味ある点である.我々は対象673名に対する759ブドウ糖経口負荷試験から, 症例を耐糖能異常の程度別にわけ三群判別分析を応用し, △IRIと△BGとの関係は乗数的関係の方がより耐糖能異常の程度に対する判別性を有することにヒントを得Insulinogenic index 2 (△IRI/△BG2×100;以下II2と略す) と言った新たな指標を考案しその有用性をhsulinogenic index (△IRI/△BG;以下IIと略す) と比較した.その結果, II2はnosological sensitivityには変化はなかったが, nosologicalspecificityでは約10~20%の改善が認められた.しかし, diagnostic sensitivityやspecificityは変わらなかった.これよりII2はIIと同様に簡単な構造の指標であり, 多少ではあるがIIの短所を補いインスリン分泌指標の解釈に新視点を与えるものと考えられた.

著者関連情報
© 社団法人 日本糖尿病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top