糖尿病
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HPLC法による糖化アルブミン測定法
測定条件の検討, 特にフルクトサミン測定法との比較において
阿部 房江矢野 充保弘田 明成伊藤 尚史吉岡 秀雄島 健二
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1989 年 32 巻 3 号 p. 183-188

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抄録

高速液体クロマトグラフィ (HPLC) 法を利用してGlycated Albumin (GA) 測定法を開発した.イオン交換カラムを用いてアルブミンを分離し, さらにホウ酸カラムにGAを吸着させ, Non-GA, GAに分離する.本測定系について基礎的検討を加えるとともに, Glycated protein (GP) 測定法の一つであるFructosamine HPLC法によるGA測定法は, 測定精度が良好である (変動係数: 同時129-3.77%, 日差4.94%) のみならず, FA測定に干渉する物質 (ビリルビン, アスコルビン酸) の影響もなく, また, 血清GA, 血漿GA値間に有意差はなく, 血中蛋白濃度による影響も認められなかった.これらの点FAと異なった.本法を用いての健常者 (155名), IDDM患者 (35名).NIDDM患者 (30名) のGA値はそれぞれ17.0-23.3, 23.4-53.8, 20.3-42.7%であった.本法は精度良く, 臨床応用が可能である.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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