糖尿病
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血糖の自己測定を施行したインスリン非依存型糖尿病者の血糖コントロールと慢性合併症
5年間の経過観察による
鶴岡 明倉林 倫子三浦 順子蔵田 英明荒井 慶子塚原 暁阪本 要一池田 義雄
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1989 年 32 巻 4 号 p. 251-256

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抄録

血糖の自己測定 (以下SMBGと略す) を施行したインスリン非依存型糖尿病 (以下NIDDMと略す) の血糖コントロールと糖尿病性慢性合併症の進展を5年間にわたり調査し, SMBGの有用性を検討した.
対象は, インスリンにて治療されていて, 5年以上SMBGを施行しているNIDDM (以下SMBG+と略す) 28例とSMBGを施行していないNIDDM (以下SMBG-と略す) 28例である.両群間で, 性・年齢・糖尿病罹病期間・インスリン治療期間および肥満度に有意の差を認めていない.
HbA1は, SMBG+では開始前10.1%が5年後9.7%と不変であったが, SMBG-では9.3%が10.4%へと有意に悪化した (p<0.01).
1日の体重当たりのインスリン使用量は, SMBG+では開始前0.45Uから5年後0.53Uへと, SMBG-でも0.40Uから0.46Uへと有意に増加した (p<0.05).インスリン処方は, SMBG+に混合頻回注射例がより多くみられた (p<0.01).慢性合併症については, SMBG+において網膜症の進展と尿蛋白陽性者の増加が防止される傾向にあった.
以上より, SMBG+のNIDDMにおける血糖コントロールがSMBG-に比較してより良好に維持され, 合併症の防止がなされうる傾向にあることを示した.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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