糖尿病
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糖尿病性腎症の進展防止に対する早期蛋白制限食導入効果について
長期Prospective Follow Up Study
野村 誠星山 俊潤松島 洋之今野 英一石田 成伸河盛 隆造鎌田 武信
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キーワード: 糖尿病性腎症, 蛋白制限
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1989 年 32 巻 4 号 p. 273-278

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抄録

糖尿病性腎症患者11例において, 腎症の進展阻止に及ぼす蛋白制限の効果を, 30カ月にわたりprospectivefollow up studyにて検討を行なった.
腎炎の既往を有さない, ネフローゼ症候群を呈さない糖尿病性腎症症例を対象とし, 蛋白制限食 (標準体重当たり0.8-1.0g/kg, 上限40g/日) の効果を, 蛋白非制限食群と比較した.平均血清creatinine値は, 蛋白制限群 (n=5, 1.8±0.3mg/dl), 蛋白非制限群 (n=6, 2.0±0.2mg/dl) であった.また, 本研究開始時において, 両群間には種々の臨床成績, 年齢, 罹病期間, 血清K値, 血中尿素窒素 (BUN), 血清creatinine (Cr), 血圧, に差を認めなかった.
30カ月の間, 両群間における, 血糖血圧のコントロールに差はなかったが, BUN, Cr値の著明な上昇が蛋白非制限群において, 認められた.一方, 蛋白制限群では, 有意な変動は認められなかった.
以上の結果より糖尿病性腎症において, 早期よりの蛋白制限食は, 血糖, 血圧コントロールと同様に腎症進展防止に対して有効な治療法の一つであることが示唆された.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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