糖尿病
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脂肪萎縮性糖尿病 (Lawrence症候群) におけるインスリン抵抗性
西村 進南條 輝志男坂上 和岡井 一彦英 肇近藤 溪三家 登喜夫宮村 敬
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1989 年 32 巻 5 号 p. 331-336

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抄録

症例は19歳女性. 3歳頃より次第に四肢が細くなった. 1987年2月検診で尿糖指摘され, 精査のため当科受診. 全身の脂肪萎縮著明, 四肢細く, 眼球突出, 甲状腺腫大, 肝腫大を認めた. OGTTにて糖尿病型血糖曲線, IRI, CPRは高値遅延反応. インスリン (イ) 負荷にて (イ) 抵抗性を認めた. 中性脂肪245mg/dl, 基礎代謝率+69.5%.甲状腺ホルモン, 甲状腺機能検査は正常であり, 本症例は脂肪萎縮性糖尿病と診断した. (イ) 抗体,(イ) レセプター抗体は陰性. 赤血球 (イ) 受容体結合能は正常. また, 患者血中 (イ) は逆相高速液体クロマトグラフィー (HPLC) により正常 (イ) と同定された. 食事療法とClofibrate投与後の血清脂質正常時には (イ) 抵抗性は改善し, 空腹時IRI値は中性脂肪. 遊離脂肪酸 (FFA) 値とほぼ平行して変動したことより, 本症例の (イ) 抵抗性に血清脂質が大きく関与していることが示唆された.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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