糖尿病
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レンテインスリンアレルギーによると思われる好酸球増多とインスリン抗体価の上昇を呈したIDDMの1症例
松村 昌子川井 紘一渡辺 康子富沢 浩子中村 節子村山 耕子葛谷 信明板倉 光夫藤田 敏郎山下 亀次郎
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1990 年 33 巻 3 号 p. 231-235

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抄録

症例は64歳男性.1984年の4月近医にて糖尿病を指摘され, 6月よりレンテインスリン ®の使用が開始された.1987年4月より表在リンパ節腫脹を自覚し, 検査の結果著明な好酸球増多を指摘された.7月23日には白血球32300/mm3・好酸球19057/mm3・IgE928U/ml, と上昇した.翌日より, モノタードヒューマンインスリン ®に変更したところ, 約2カ月で白血球数好酸球数IgE値ともに正常化した.レンテインスリン ®によるチャレンジテストは陽性であり, 69.4%と高値を呈した1251-インスリン結合率やリンパ節腫脹も好酸球の減少と平行し減少した.一般検査を含めこれらの結果から, 本患者の以上の諸症状はレンテインスリン ®に対するインスリンアレルギーと診断された.本例は著明な好酸球増多・IgE高値・1251-インスリン結合率高値にもかかわらず皮膚所見に乏しく, かつリンパ節腫脹を伴った点で特異な経過を示した興味深いインスリンアレルギーの1例と思われる.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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