糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
Gold thioglucose (GTG) 肥満マウス骨格筋のインスリン抵抗性への副腎摘出の効果
岡田 秀一大島 喜八小内 亨馬原 充彦佐藤 稔森 昌朋小林 節雄小林 功
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 33 巻 4 号 p. 293-299

詳細
抄録

肥満動物の骨格筋におけるインスリン抵抗性成立への副腎摘出効果を, in situ骨格筋灌流法を用い検討した.実験動物にはgoldthio-glucose (GTG) 投与肥満マウスを用いた.灌流液中のインスリン濃度は0, 0.1mU/mlで行った.GTGマウスの骨格筋のブドウ糖摂取能は双方の濃度で低下しているが, 副腎摘除を行うと, GTG非投与対照群の値にまで回復した.同様に2-deoxyglucose (2DG) の摂取率を2DG-6-phosphateの蓄積で測定した.結果はブドウ糖摂取能と全く同様で, 副腎摘除で対照群の値に回復した.一方GTG投与群では著明な高インスリン血症および高コルチコステロン血症が存在したがこれらは副腎摘除で消失した.以上の事実よりGTG肥満マウスの骨格筋のインスリン抵抗性の一成因として高コルチコステロン血症が関与していることが推察された.

著者関連情報
© 社団法人 日本糖尿病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top