糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
血糖自己測定の信頼性に関する研究
虚偽の申告について
神田 勤藤本 陽子見延 優子吉田 勤岩崎 誠森 博雄綴志水 洋二上松 一郎
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 34 巻 5 号 p. 409-416

詳細
抄録

インスリン治療の糖尿病患者17例に対し, メモリー付き血糖自己測定機を用いて, 血糖自己測定 (SMBG) の信頼性を検討した.SMBGの自己申告値の精度 (Precision Index;P. I.) は71.8±32.3%(Mean±SD), 過少申告率 (Omission Index;O.I.) は24.8±24.2%, 追加申告率 (AdditionIndex;A.I.) は19.3%±27.8%であり, SMBGには虚偽の報告が存在した.しかし血糖自己測定機にメモリー機能が付加していることを意識させた後のP.I.は97.6±5.5%, O.I.は2.6±3.7%, A.I.は2.3±6.6%であり, SMBGの信頼性は有意に改善し, 血清フルクトサミン値, HbA1c値は有意に低下した.P.I.やO.I.では低血糖値や高血糖値ほど, 患者が受容できる血糖値の領域に書き変えたり, 削除していた.A.I.ではP.I.やO.I.と異なり, Y-GテストにてA型, C型, D型を示す糖尿病患者においては, 高血糖値にも有意な高頻度で, SMBG値を書き加えていた.以上は患者の受容しがたい血糖値である低血糖値や高血糖値の領域に, SMBGの虚偽の報告が多くみられるが, 血糖自己測定機にメモリー機能が付加していることを患者に意識させることにより, 虚偽の報告は減少することを示している.

著者関連情報
© 社団法人 日本糖尿病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top