糖尿病
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経口脂肪負荷によるgastric inhibitory polypeptide (GIP) およびtruncated glucagon-like peptide-1 (tGLP-1) の分泌機構の検討
深瀬 憲雄高橋 秀夫間中 英夫富永 真琴佐々木 英夫
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キーワード: インクレチン
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1991 年 34 巻 6 号 p. 515-521

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抄録

インクレチン候補の, Gastric inhibitory polypeptide (GIP) とtruncated glucagon-like peptide-1 (tGLP-1) の分泌と脂肪の吸収との関係について検討した.健常成人15名 (男12名, 女3名) を対象とし, 1) 経口長鎖脂肪 (LCT) 負荷 (n=9), 2) 経口中鎖脂肪 (MCT) 負荷 (n=6) の2群にわけて, 経時的に採血し血中のGLP-1, GIP, インスリン (IRI), グルカゴン (IRG), グルカゴン様免疫活性 (GLI), 血糖を測定した.LCT投与により血糖, IRI, IRGは不変であったが, GIP, GLI, GLP-1のC端抗体測定値 (GLP-1CT) の著しい増加とGLP-1のN端抗体測定値 (GLP-1NT) の軽度増加を認め, tGLP-1の増加が推定された.しかし, MCTの投与で血糖, IRI, IRG, GIP, GLP-1NT, GLP-1CTの反応は全く認められなかった.以上から脂肪負荷に対するtGLP-1の分泌増加にはGIP同様に長鎖脂肪が重要であると考えられた.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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