糖尿病
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インスリン非依存性糖尿病における血小板内遊離Ca2+濃度の臨床的意義 (第1報)
山口 多慶子葛野 公明鉄谷 多美子安永 幸二郎
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1992 年 35 巻 10 号 p. 803-810

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抄録

インスリン非依存性糖尿病 (NIDDM) 患者の血小板内遊離2+2+濃度 ([Ca2+] i) を2年間経時的に測定し, 糖尿病性血管障害との関連について臨床的検討を行った. 対象はNIDDM167例および健常群60例である. 非刺激時および刺激時 [Ca2+] iを蛍光指示薬fura-2/AMを用いて測定した. そして腎症, 網膜症, 高血圧およびHbA1cとの関連について検討した. NIDDM群の非刺激時および刺激時 [Ca2+] iは健常群に比べ高値であった. またNIDDM群の中では腎症および網膜症の軽症群の方が, 重症群より高値であった. 刺激時 [Ca2+] iはincipient nephropathyの時期に最も高値となり, 臨床的蛋白尿期では低値であった. 刺激時 [Ca2+] iは腎症の重症度により異なる挙動を示したが, 網膜症の重症度との相関は認められなかった. これらの成績から血小板内Ca2+をmessengerとした細胞内刺激伝達機構の異常が血管合併症, 特に腎症の発生進展に関与していることが示唆された.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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