糖尿病
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赤血球膜蛋白分画4.2欠損症に伴い血糖値とglycated hemoglobin値に解離を示したNIDDMの1例
片山 泰之和田 誠基則武 昌之根本 洋子島内 武英久貝 信夫永田 直一阿多 雄之神崎 暁郎八幡 義人
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1992 年 35 巻 10 号 p. 831-835

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抄録

症例は29歳男性, 1989年1月にNIDDMと診断され, 食事および運動療法にてコントロールされていたが, 空腹時血糖 (FPG) に比してglycated hemoglobin (GHb) 値が異常低値を示したため, 1990年5月当科に入院となった. 入院時検査で, 赤血球数438万/mm3, Hb13.6g/dl, 網赤血球6.6%で, 赤血球形態では有口赤血球変化を伴う卵円形赤血球を多数認めた. また血清間接ビリルビンの軽度高値から溶血を考え, 赤血球の解析を行なった. 赤血球膜蛋白分析で分画4.2の部分欠損が明らかとなり赤血球膜蛋白分画4.2欠損症と診断した. 本症例におけるFPGとGHbの解離は本症に伴った赤血球寿命の短縮によるものと考えられた. 本症がGHbの異常低値を契機として証明された報告は今までにない. 本症例のGHb値は低値ながらフルクトサミン値と良好な相関を示し, 経時的な血糖コントロールの指標として使用可能であると考えられた.

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