糖尿病
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NIDDMの下肢経皮酸素分圧低下の危険因子に関する検討
紀田 康雄柏木 厚典瀧 秀樹中川 浩子日高 秀樹吉川 隆一繁田 幸男
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1993 年 36 巻 12 号 p. 917-922

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抄録
我々は糖尿病患者の下肢虚血の評価に経皮酸素分圧 (TCPO2) 測定が有用な事を報告してきた. 臨床的には末梢血管障害 (PVD) を認めない糖尿病者にも, 既にTCPO2が低下している症例がある. 今回は, 糖尿病者におけるTCPO2低下に関する因子を検討するためTCPO2と各パラメータの関係を調べるとともに, 自覚症状とTCPO2の関係も検討した. 対象は181例のNIDDM (D群) と34例の健常者 (C群) である. D群の56例はPVD合併例である. 1) TCPO2はC群に比べ, D群では有意に低く, 特にPVD例で低値であり, 50mmHgはカットオフ値として適当であった. 2) 間欠性肢行, 安静時疼痛を有する例では無症状例より有意にTCPO2が低値であった. 3) D群のTCPO2低下には加齢, 動脈閉塞, 細小血管障害, 自律神経障害が各々独立した危険因子であった.
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© 社団法人 日本糖尿病学会
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