糖尿病
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Glycine1008→Valineの変異を認めたType Aインスリン受容体異常症の1例
野崎 修鈴木 義史島田 典生橋本 尚武平良 真人畑中 幸子能登谷 洋子金城 修牧野 英一吉田 尚
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1993 年 36 巻 12 号 p. 943-949

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抄録

Type Aインスリン受容体異常症について, インスリン受容体機能およびその遺伝子解析を行った. 症例は20歳女性で, 黒色表皮症と多嚢胞性卵巣を伴い, 著明な空腹時高インスリン血症 (130μU/ml) と, インスリン抵抗性糖尿病を認めた. 父親にも, 耐糖能異常と軽度の高インスリン血症を認めた. インスリン結合能は正常であったが, インスリン受容体自己燐酸化能と外因性基質に対するキナーゼ活性は低下していた. ゲノムDNAを用いPCR法にてインスリン受容体遺伝子各エクソンを増幅し塩基配列を直接決定した. その結果, キナーゼメインであるエクソン17にミスセンス変異 (Gly1008→Val1008) を認めた. この変異はヘテロ接合体であり, 父親にも存在した. この変異はすでに報告されているType A北海道と同じ変異であった (小田原らScience, 245, 66, 1989). キナーゼドメインの変異は, 優性遺伝性に, インスリン抵抗性糖尿病をきたすと考えられた.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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