糖尿病
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25年以上経過した8歳未満発症インスリン依存型糖尿病患者のインスリン使用量の経年的変動と発育・成長状態
南 昌江大谷 敏嘉横山 宏樹三木 裕子丸山 博内潟 安子大森 安恵
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1993 年 36 巻 6 号 p. 455-460

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抄録

加齢に伴うインスリン必要量の変化を知るために, 25年以上経過した8歳未満発症インスリン依存型糖尿病者のインスリン使用量の経年的変動をretrospectiveに調べた, 対象は, 発症後2年から20年以上にわたって身長, 体重およびインスリン使用量 (U/kg/day) を毎年調べることができた15名 (男性5名, 女性10名, 発症年齢の平均4.9歳) である. 良好な身長発育を示した患者のインスリン使用量は, 男性 (n=4) では14歳から15歳で急増し (1.3-1.7U/kg/day), 17歳-18歳 (1.8U/kg/day) でピークに達した. 女性 (n=7) では10歳から14歳にかけて徐々に増加し (0.9-1.5U/kg/day), 14歳-20歳 (1.5U/kg/day) では横ばい状態となった. 20歳以後は男女とも減少していき, 30歳以降で男性で0.8-1.0U/kg/day, 女性で0.6-0.7U/kg/dayで安定した. なお, 成長曲線で身長が正常の-2SD以下であったものが4名存在し, このうち1名のインスリン使用量はあきらかに正常発育群より少なかった.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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