糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
ラット125I-GADを抗原としたIDDM患者血清中の抗GAD抗体検出法の開発
中川 啓山田 和恵松葉 尚子中嶋 聡子渡辺 博尾形 研二松葉 育郎池田 義雄
著者情報
キーワード: IDDM, 抗GAD抗体, RIA
ジャーナル フリー

1993 年 36 巻 7 号 p. 523-530

詳細
抄録

抗グノレタミン酸脱炭酸酵素 (GAD) 抗体は, I型糖尿病 (IDDM) のマーカーとして近年, 注目されている. 今回我々は, 精製ラット脳GADを用いて, 抗GAD抗体を検出するラジオイムノアッセイ (RIA) 法を開発した. その方法は, 患者血清を125I標識した精製GADと反応させた後に, プロテインGビーズで沈降させ, その放射活性を測定するというものである. その結果, 正常人38検体の平均/直+3SDを超える値を陽性とすると, 発症後1年以内のIDDM群では59.5%(22/37) が陽性であり, II型糖尿病群の陽性率5%(1/20) との間に明らかな差がみられた. また陽性率と抗体価は低いながらも, 強皮症と慢性関節リウマチ患者の一部にも抗GAD抗体陽性の可能性が示唆された. このRIA法は簡便で感度も良いため, IDDMのマススクリーニングのみならず, 抗GAD抗体の標準化にも有用であると思われる.

著者関連情報
© 社団法人 日本糖尿病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top