糖尿病
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インスリン非依存型糖尿病長期通院患者における高脂血症とその治療の実態
吉成 元孝土井 康文飯野 研三山本 操篠原 規恭吉住 秀之岩瀬 正典布井 清秀仲村 吉弘藤島 正敏福岡県糖尿病クリニック懇話会
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1994 年 37 巻 11 号 p. 811-818

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抄録

中等度ないし良好にコントロールされたNIDDMにおける高脂血症の頻度と治療の実態を調べた.福岡県下の代表的施設の糖尿病再診外来で, 1月末の1週間に空腹時採血を受けたNIDDM全患者680名 (男女比1: 1.1, HbA1c 7.3±1.5%) を対象に, 血清脂質と高脂血症薬剤の投与状況を調査した.施設問の血清脂質値のぼらつきは標準血清の同時測定で補正した.高脂血症は全体の52%にあり, 高脂血症薬はそのうちの32%に投与されていた.主にHMGCoA還元酵素阻害薬が使用されており, 高コレステロール血症 (>220mg/dl) は投与前の48%から32%に減少していた.しかし, 高中性脂肪血症 (>150mg/dl) や低HDL血症 (<35mg/dl) の頻度には大きな変化がなく, それぞれ22%と7%に認められた.HbA1cの施設問変動は各施設の正常平均値で補正したが, HbA1cと血清脂質との間には明らかな関係を認めず.アルコール摂取は1日30g未満から総コレステロールを有意に下げ, 30g以上80g未満では中性脂肪を上げていた.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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