糖尿病
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糖尿病性腎症における臨床病期と腎組織病変の関係
金内 雅夫西岡 久之紀川 伊敏赤井 真弓川野 貴弘椎木 英夫藤井 謙裕土肥 和紘
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1995 年 38 巻 12 号 p. 951-957

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抄録

DDM患者156例を対象として, 厚生省糖尿病調査研究班の分類により1期59例, 2期50例, 3A期8例, 3B期11例, 4期21例および病期不適合群7例に区分し, 腎生検組織所見と対比した. 1期では, 糸球体びまん性病変は軽微から中等度を示したが, 結節性病変はなかった. 2期では, 糸球体びまん性病変は軽度から中等度を示し, 少数例に結節性病変が認められた. 3A・3B・4期は, 中等度以上のびまん性病変に結節性病変を合併することが多く, 細動脈硝子化も高度であった. 尿細管間質病変は, 臨床病期の進行群ほど高度であった. 病期不適合群は, 微量アルブミン尿陽性であるが, GFR著明低下・血清クレアチニン値上昇を示した.その特徴は, 概して高齢であり, 高血圧や虚血性心疾患の合併率が高く, 細動脈硝子化と間質病変が高度なことに集約された.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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